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子供の嘔吐時の消毒 ドバイ編

だんだんと涼しくなって過ごしやすくなってきたドバイですが、今日は冬場に流行する感染症についての記事を書こうと思います。

“嘔吐下痢症” ”感染性胃腸炎” ”ノロウイルス” ”ロタウイルス”などという言葉を聞いたことがありますか? 日本でも冬場を中心に流行する感染症です。

上記のように様々な言い方をされますが、嘔吐と下痢を主症状とする感染症で特に気をつけたいのがノロウイルスやロタウイルス(ノンエンベロープウイルス)が原因のものです。

理由としては、感染力が非常に強いことと通常のアルコール消毒では死滅しないウイルスだからです。

学校で流行して子供が感染し、家に持ち込むことで一家全員次々に感染・・・というパターンをよく聞きます。

病院では糞便を採取しての抗原検査が可能ですが、特異的な抗ウイルス薬はないので治療法としては脱水の予防をしてウイルスが体外に排出されるのを待つということになります。

脱水予防としてはポカリスエットやOS1などの経口補水液もしくは麦茶がベストです。
ポカリスエットはドバイでも気軽に購入できるので安心です。
経口で水分の摂取ができない場合には病院での点滴が必要ですが、成分としては基本的にポカリスエットと同様なので脱水補正効果のみです。

そして、次に気をつけるべきは感染を広げないということです!

ノロウイルスは乾燥して空気中に浮遊しやすいので、トイレを流す時は蓋を閉める!
感染者が使った食器や嘔吐物の消毒を徹底することが大事です。

ノロウイルスやロタウイルスはアルコール消毒では効果がないため次亜塩素酸という成分が入ったものを使用します。
日本ではミルトンやハイターの成分として有名です。

ドバイでも次亜塩素酸手に入ります!

CLOROXという漂白剤はどこのスーパーでも割と売ってあります。

成分を見てみると、

一番下の段に5.25% Sodium Hypochlorite 次亜塩素酸5.25%と表記してあります。
(花王のハイターは濃度6%)

この次亜塩素酸を希釈して消毒液を作ります。(スプレー容器は霧状の液を吸い込むことがありますので使用しないでください)

・食器や衣類、ドアノブなどには200ppm濃度→水3Lに次亜塩素酸10mlを作成し消毒します。
*消毒時は手袋を着用しましょう。
*次亜塩素酸には金属腐食性があるためドアノブなどを消毒した後は水拭きもして下さい。
*衣類の色落ちに注意!

・患者の嘔吐物やオムツなどは1000ppm濃度→水3Lに次亜塩素酸50mlを作成しビニール袋に入れた嘔吐物やオムツを1000ppm濃度の消毒液に浸してから処理するようにしましょう。
*消毒後は水拭きもしましょう。
*最後は丁寧な手洗いも忘れずに。

(厚生労働省HPより)

さらに、ハイターを発売している花王さんによるとハイター内の次亜塩素酸濃度は出荷時は6%ですが徐々に分解が進み濃度が低下してくるそうです。購入から3年経過すると濃度は1/3程度になるそうなので小さいサイズを購入して2年程度で買い替えるのが良さそうですね。

 

最近の研究ではエタノールのpHを調整することでノンエンベロープウイルスであるノロウイルスやロタウイルスに対して次亜塩素酸と同等の効果を得られる製品の開発が進んでいるそうです。
(Sato S, et al. Sci Rep. 2020;10:15878.)

ABOUT ME
Dr.Haruka
ドバイ在住 ママ内科医のHarukaです。 5歳&3歳の子育てにも奮闘中! ドバイでの医療情報や子連れのお出かけ情報、ドバイ生活のリアルな情報をブログとして紹介していこうと思っています。 ドバイにお住まいの方、海外での生活に興味がある方に覗いてもらえると嬉しいです!

POSTED COMMENT

  1. たいやき より:

    昨年ドバイに引っ越してきました。2人の子どもがおります。
    ハイターと同じようなものはないか探していたところ先生の記事にたどり着くことができました。貴重な情報ありがとうございます。
    日焼け止めの記事などお医者さん目線からの内容で大変勉強になります。
    これからも応援しています!

    • Dr.Haruka より:

      たいやきさんコメントありがとうございます!私もママ目線で大体同じ悩みに直面しているのでお役に立てて嬉しいです!これからもよろしくお願いします♪

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